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【3月10日付社説】震災9年・産業再生/新分野育て地域に好循環を - 福島民友

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの中長期的な復興を図るためには、地域社会の担い手が安心して定住することができるような力強い産業再生を進めていかなければならない。

 津波被災地や原発事故で避難指示が出た15市町村の域内総生産は、震災直後に落ち込んだものの2016年度には2・5兆円となり、震災前の10年度の2・2兆円を上回っている。ただ、産業分野別にみると、総生産の伸びは復興事業を受注した建設業に頼る部分が大きく、製造業などの総生産は震災前の水準より低いままだ。

 県は、被災地の産業復興を進める福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を巡り、25年度までの新たな「重点推進計画」を策定中だ。復興需要による下支えは、時間の経過とともに効果の減少が予想される。県は、イノベ構想の推進を通じ、ロボットなどの新産業を軸にした足腰の強い地域経済をつくることを改めて肝に銘じてほしい。

 今春には、イノベ構想の主要な研究開発拠点である福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町)が全面開所する。県は、ドローンなどの新分野に県内企業の参入を促すきっかけとするため、先月設立した異業種間の交流組織「福島イノベ倶楽部」などとの連携を強化する方針だ。

 これまでは新分野に関わる企業を誘致したり、企業が開発を進めてきた技術の実用化を補助したりすることで産業集積の足場を固めてきた。県は、意欲ある地元企業の強みやアイデアを引き出すような支援を積極的に展開し、新規参入の裾野を広げてもらいたい。

 国や県は新年度、福島第1原発の廃炉作業への地元企業の参入を支援する。過去に実績がある土木工事や放射線管理などに加え、作業に必要な機器の製造や消耗品の提供にも範囲を広げ、地域経済の底上げにつなげたい考えだ。好事例が数多く生まれるよう、東電との円滑な橋渡しが求められる。

 福島相双復興推進機構によると19年12月現在、浜通りの被災事業者のうち、地元で事業を再開したのは全体の3割となっている。移転先での再開は2割強、休業が4割弱で、この割合は前年同期とほぼ変化がない。

 企業進出や研究開発に関連した視察などの増加により、宿泊や飲食、円滑な移動手段の確保など新たなニーズが見込まれる。県は、地元企業に需要をうまく結び付け、幅広い業種の活性化や事業再開、起業が進むような好循環を生み出していくことが重要だ。

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March 10, 2020 at 07:12AM
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