新型コロナウイルスで売り上げが落ちた飲食店を支援する姫路市の飲食チケットをめぐり、一部の経営者が自分の店のチケットを大量に購入していたことが分かりました。
姫路市は、４０％のプレミアム分を得るため購入していた可能性もあり、制度の趣旨にあわないとして自主返納を求めています。
姫路市と市内の企業でつくる実行委員会は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ちた市内の飲食店を支援するため、客に先払いで飲食チケットを購入してもらうプロジェクトを先月から始めました。
客が専用のサイトを通じて、登録してあるおよそ９００の飲食店のなかから行きたい店のチケットを購入すると、金額に応じて市から４０％分のプレミアムが上乗せされます。
例えば、客は特定の店の１万４０００円のチケットを１万円で購入し、ことし８月１０日から来年１月３１日までの間に使うことができ、店側には前払いで１万４０００円が支払われます。
チケットはこれまで、プレミアム分を除いておよそ１億４０００万円分が販売されましたが、姫路市によりますと、経営者１６人が自分の店のチケットあわせて３１５万円分を購入していたことが分かりました。
なかには、１４０万円分を１人で購入した経営者もいたということです。
姫路市の聞き取りに、経営者らは「客に頼まれた」などと答えたということです。
ただ、プレミアム分を目的に購入した可能性もあり、制度の趣旨にあわないとして、今月１２日から始める次回の販売を前に、経営者や家族などが大量に購入した場合は自主返納するよう求めました。
また、再発防止のため、経営者や家族が自分の店のチケットを購入することや、従業員など関係者が飲食を目的としないチケットの購入を禁止し、判明すれば取り消すことにしました。
また、１店舗あたりの販売上限額の引き下げを検討しているということです。
【姫路市内の飲食店の店主らは】
プロジェクトに参加する姫路市内の飲食店からは、不満や市がきちんと追及するべきだという声が相次ぎました。
このうち、市内の天ぷら料理店は「まじめにやっているお店としては不本意です。何らかの不正があったのならば追及してほしい」と話しています。
また、先月の売り上げが去年の同じ時期に比べて３０％に落ち込む居酒屋は「不正行為がないよう告知をするべきだった。自分の店ではなく、応援したいほかの人の店のチケットを購入すればよかったのにと思う。残念だ」と話しました。
さらに、ＪＲ姫路駅のホームで駅弁などを販売する老舗の食品会社の担当者は「せっかくのすばらしい企画なのに、自分の店のために使うのは疑問に思う。自分の店だけでなく、姫路市全体、日本全体のことを考えて営業してほしい」と話しました。
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July 08, 2020 at 12:20PM
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