□シークエンス取締役 LOGOSインテリジェンスフェロー・木村和史
インド共和国では、ゴア州、シッキム州、ダマンディウ連邦直轄領で各州法および連邦法に基づきカジノが例外的に合法化されている。そんな中でも、“インドのラスベガス”と称され、合法的カジノ市場(推定150~200億円)の約95%を占めるのがゴア州である。
ゴア州は、ほとんどの地域が英国統治下であったインドの中では珍しくポルトガル領であり、その支配の歴史は16世紀に遡(さかのぼ)り、1961年の主権放棄まで続いた。このため、州内にはローマカトリック系のキリスト教会や修道院なども多く、インドの他の地域とは違った趣を与えている。
また、アラビア海沿岸の自由貿易港を拠点として昔から鉄鉱業で栄えた裕福な州でもあり、現在は海岸線をリゾート化するなど観光業も主要産業となるなか、インド人富裕層のバカンスのメッカとなっている。そんなゴア州ではカジノ施設が16カ所存在し、全ての施設が24時間営業で、地元民と21歳未満は入場できない。また6カ所が水上カジノであり、このうちの3船は、インドのカジノ産業の中心的役割を果たしているデルタ・コープ社(国内上場企業・デルティングループ)が所有、運営している。この水上カジノは、州都であるパナジ市を横断し、アラビア海にそそぐマンドゥビ川河口に停泊する大型クルーズ船内で開場されており、乗船するには波止場から数分間隔で往来する小型の渡し船で向かうことになる。
ゴア州には陸上カジノも存在するが、観光客には水上カジノが人気だ。というのも、ゴア州では陸上での人を介した賭博行為は禁止されており、どうしてもスロットマシンなど電子ゲームに限定されてしまう。一方で、オフショアとなる水上カジノではディーラーを介したテーブルゲームなどの運営が可能となるからだ。水上カジノは入場がサンセットクルーズとナイトクルーズに大別されており、入場料も船や時間帯により3000~7000円となっている。この金額はインドの一般的な物価と比べて相当高額であるため、客層は国内富裕層か外国人観光客に限定されることになる。このようにゴア州では、歴史的背景からくる特区的な位置づけにより、必然的にカジノ産業が生まれたといえる。
【プロフィル】木村和史
きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のレポート執筆など手掛ける。
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