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全世帯のICT環境整備へ 印南町がパソコン購入に補助:紀伊民報AGARA - 紀伊民報

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて和歌山県印南町は、町内すべての世帯にカメラ付きパソコンなどを導入してICT(情報通信技術)環境の整備を目指す。生活に関わる情報やサービスのオンラインでの発信を可能にするのが狙い。手始めとして、全世帯を対象にパソコンの購入費を5万円を上限に補助する。

 新型コロナで提唱されるようになった、リモートや在宅を生かした「新しい生活様式」を推進する。財源として国による新型コロナの臨時交付金を活用。このほど、町議会臨時会でコロナ支援策(予算総額1億6530万円)が可決された。

 町が補助するのは、カメラ付きのパソコンやタブレット端末の購入費用。町が住民を対象に実施したアンケートでは、全世帯のおよそ半数はすでにパソコンなどを導入しているため、予算は全世帯の約7割に当たる計2300世帯分。予算額は1億1500万円。

 既に申請の受け付けを開始しており、家電量販店などで条件に合ったパソコンやタブレット端末を購入し、申請書に必要書類を添付して町総務課に提出すればよい。補助対象は端末の購入費のみで、自宅にインターネット回線を整備する費用などは補助の対象にならない。

 各世帯にICT環境を整えることで、今後行政からの発信をオンラインで住民に受けてもらう。例えば防災情報や高齢者の安否確認などを想定している。

 児童生徒がいる世帯では、学校休校時にオンラインで授業を受けてもらう。医療福祉では、自宅で医師とやりとりできるオンライン診療、妊婦や育児の相談なども想定。今後町で提供するサービスを具体化させる。

■ 高齢者のスマホ利用も

 パソコンやタブレットのある環境整備と並行し、高齢者のスマートフォン(スマホ)利用も促進するため、購入を補助する。

 65歳以上の住民がスマホを購入する際、上限を2万円として経費を補助する。予算額は1千万円。

 新型コロナ感染拡大防止に役立てるため、厚生労働省が提供している、コロナ感染者と濃厚接触した可能性がある場合にスマホに個別の通知が届く「接触確認アプリ」のインストールと利用を補助の条件としている。

 この他、衛星利用測位システム(GPS)を使った安否確認、離れて暮らす家族親戚との交流など、スマホを高齢者の安心安全にも役立ててもらう。

■新生児に10万円

 コロナ支援策はこの他、新生児を支援する補助もある。4月28日から来年3月31日までの間に生まれた新生児について、1人当たり10万円を支給する。

 事業者向け施策としては、パーティション(間仕切り)やフェイスシールド、非接触型体温計、空気清浄機といった新型コロナ感染拡大防止のための備品の購入を補助(最大5万円)する。

 町ではコロナ支援策としてこれまで、町内飲食店で使うことのできる千円分の持ち帰り(テークアウト)商品利用券配布、1世帯当たり3万円分の商品券配布とプレミアム付き商品券販売などで、住民や事業者の経済支援を実施してきた。

 町総務課は、今回の支援策を第3弾と位置付け「パソコン購入補助に対し問い合わせが増えており、関心を持ってもらえていると感じる。コロナ感染拡大がきっかけとなったが、ICT環境の充実により、住民の皆さんの安心安全、生活の利便性向上に役立てたい」と話している。今後もコロナ関連の支援策を計画しているという。

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August 11, 2020 at 12:30PM
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