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【遊技産業の視点 Weekly View】 - SankeiBiz

 □進む「改正健康増進法全面施行」への対応

 ■ワールド・ワイズ・ジャパン代表 LOGOSプロジェクト主幹 濱口理佳

 4月1日の改正健康増進法の全面施行に向け、パチンコホールではこれに備えてさまざまな対応を進めている。改正健康増進法が全面施行されれば、ホールは屋内原則禁煙(一定の基準を満たした場所では喫煙可)となるからだ。

 業界唯一の横断組織である日本遊技関連事業協会では、1月下旬に「改正健康増進法全面施行前確認項目一覧」「事前告知ツール」をホームページに公開。会員以外も閲覧可能で、業界内における幅広い活用を呼びかけている。ホール企業でも最多店舗を展開するダイナムは、昨年7月に「禁煙推進企業コンソーシアム」に遊技業界で初めて加盟したほか、今年1月には4月からの全店舗完全分煙化を発表するなどめざましい動きを見せている。もちろん、他のホール企業も大手を中心に積極的に取り組みを進めるなか、店舗における分煙環境の整備は進み、従業員への配慮を含めて、業界内の受動喫煙に対する意識は高まりつつある。

 遊技参加者には喫煙者が多いといわれるが、振り返れば25年ほど前に全館禁煙をうたうホールが誕生している。ちょうど多くの合法機を自主規制で取り外すことになった社会的不適合機の撤去の時期で、ホールでは「装置産業からの脱却」を合言葉にサービス業としての側面を強化する動きや、ホールのイメージを変える試みが多々確認された。ただし、これらの試みの中で全館禁煙というムーブメントは広がらず、2000年前半に健康増進法が制定・施行されるなか、世間の喫煙に対する意識変化に合わせて、再び禁煙ホールや分煙ホールが増加。そして現在、改正健康増進法の全面施行で、全てのホールが対応を迫られることになった。

 街中から喫煙できる場所が消えていくなか、ホールの喫煙所が都会のサラリーマンのオアシスになる可能性や、非喫煙者の来店促進など、今回の禁煙化を前向きに捉える向きもあるが、喫煙者における遊技環境の変化がホールの売り上げに及ぼすマイナス影響は想像に難くない。依存防止対策の一環としての新規則機への入替に加えて、受動喫煙への対応と、遊技業界はいま、大きな環境変化の時期を迎えている。

                  ◇

【プロフィル】濱口理佳

 はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。

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February 25, 2020 at 03:00AM
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