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新型コロナ拡大...農畜産業に『危機感』 価格下落や売り上げ減 - 福島民友

 新型コロナウイルスの感染拡大が、県内で生産される農畜産物にも影響を広げている。感染拡大によるイベント自粛や一斉休校、外食需要の減少で花きや牛肉を中心に価格の下落が止まらず、生産者の経営を圧迫する。関係者からは「先行きが見えない」とため息が漏れる。

 「業界全体の取り組み必要」

 【肉用牛】「もう話にならない」。小野町やいわき市など県内外4カ所で計約1800頭の肉用牛を飼育する「伸ちゃん牧場」(小野町)の長谷川栄伸社長(64)は開口一番、食肉の価格下落を嘆いた。

 肉用牛の取引価格は今年に入り、徐々に下落。新型コロナウイルスの感染が国内で広がった3月中旬には「ガクンと落ちた」という。下落の主な要因は感染拡大により輸出が止まっていることや外食控え。同牧場の牛は通常価格の6割程度にまで下がった。長谷川さんは「(需要減で)相場は全体的に下がっている。一牧場の力だけでは牛の価格を回復するのは難しい」と指摘する。

 同牧場では生後7~8カ月の子牛を約1年半育て、出荷している。「売れているうちは、まだまし。もし、値段がつかなくなったら怖い」。牛舎に限りがあるため、価格が下がっているからといって売らないという選択肢はない。「生き物を扱っているので経営は止められない。安く売った分、安く仕入れるくらいしか対策が思い浮かばない。業界全体の取り組みが必要」と力を込める。

 「直売客数も減少傾向」

 【イチゴ園】シーズン真っただ中の観光イチゴ園も苦境に立たされている。相馬市の和田観光苺組合のイチゴ園は例年なら学校関係などの団体を中心にイチゴ狩りでにぎわうが、既にキャンセル数は700件に及ぶ。影響は直売にも出始めており、関係者は不安を口にする。

 イチゴ狩り、販売の売り上げは3月末時点で、組合が母体となる法人会社と組合の7農家合わせ約4700万円と、前年度より1000万円以上減少。シーズン終了までにさらに影響は広がるとみられる。

 団体行動自粛の影響でイチゴ狩りが苦戦する分、これまでは直売でカバーしようと奮闘していたが、その客数も減少する傾向が出てきている。組合は、近隣自治体で新型コロナウイルスの感染が確認された影響が大きいとみている。

 相馬福島道路の開通区間拡大などで震災後は着実に客数が伸びていただけに、斎川一朗組合長(71)は「いつまでこのような状況が続くのか。一刻も早い終息を願うしかない」と話す。

 「作付け減らす考えも」

 【ダリア】お祝い事などで好まれるダリアが特産の塙町。「4月は球根の作付けを行う時期だが、今年は昨年の半分程度しか植える予定はない」。そう話すのは生産者の石井とし子さん(62)。例年はビニールハウスと露地で計約20アールを作付けしていたが、感染拡大による価格下落と需要減を受け、今年は作付けを減らすことを考えている。

 JA福島五連などによると、ダリアの販売価格は前年の3~4割。「結婚式などでよく出荷されていたが、自粛の影響もあってかあまり注文がない。イベント自粛が今後も続くと価格が暴落してしまう。先行きが見えない」と不安を口にした。さらに同町では、東京五輪延期も生産者に影響を与える。町地域おこし協力隊として五輪向けに開発したダリアの新品種「メダリスト」生産に関わる岩見麻衣子さん(31)は「今年出せるはずだった分が出せなくなってしまった。冬場はビニールハウス内の暖房器具の確認も必要で、作業が大変になる」と話した。

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April 06, 2020 at 07:25AM
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