
400年以上の歴史があるとされる徳島市の夏の風物詩「阿波おどり」が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止が決まった。県内だけでなく全国から観光客が訪れる一大イベントだけに、主催者の実行委員会が早々に決断した格好だ。
徳島県民の阿波おどりに対する思い入れは他地域の人の想像を超えるものがある。空港は「徳島阿波おどり空港」と愛称が付き、県内企業に電話をかければ、保留音に阿波おどりのおはやしが流れることも。8月中旬の4日間は祭り一色になる。
勇猛な男踊りと、一糸乱れぬ女踊りがある阿波おどりは「連」と呼ばれる踊り手グループが形成されるのが特徴だ。小さい時から阿波おどりに親しむ子どもが有名連での活躍を夢見るのも珍しくない。
徳島といえば鳴門の渦潮、スダチ、藍(あい)染めなど県産品も全国的に名高い。阿南市の日亜化学工業を筆頭とする発光ダイオード(LED)は県の代表的な産業になった。それでも今も昔も徳島の象徴は阿波おどりだ。
約10年前の四国勤務時は毎年のように現地で阿波おどりを堪能した。離任後も祭りの熱狂は常に気になる存在だ。「踊る阿呆(あほう)に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」―。今夏は、どの阿呆も見られない。
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May 05, 2020 at 03:00AM
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産業春秋/阿波おどり中止 - 日刊工業新聞
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